紙の本 vs 電子書籍、結局どっちがいいのか問題を本気で考えてみた
「紙と電子、どっちで読んでいますか?」
本好き同士で話すと、かなりの確率で出てくるテーマです。
紙の本が好きな人にはゆずれないこだわりがあり、電子派には電子派の“やめられない理由”があります。
「結局どっちが正解なんだろう」と悩んだことがある方に向けて、この記事では
- 紙と電子のざっくりとした違い
- それぞれのメリット・デメリット
- どんな人に紙/電子が向いているのか
- 筆者なりの“使い分けルール”
をまとめていきます。
どちらか一方をジャッジするというよりは、
「自分にとってちょうどいい組み合わせ」を見つけるヒントになればうれしいです。
紙の本と電子書籍のざっくり特徴
まずはイメージをそろえるために、ごく簡単にまとめます。
紙の本
- 本屋さんや図書館で手に取れる、いわゆる“ふつうの本”
- ページをめくる感覚や、紙の手ざわりがある
- 本棚に並べて「持っている」という実感を味わえる
電子書籍
- スマホやタブレット、専用端末で読むデジタルデータの本
- 何百冊も端末ひとつに入れて持ち歩ける
- 検索・マーカー・ハイライトなどがやりやすい
- 読み放題サービスやセールが充実していることも多い
同じ「本」ではありますが、
体験としてはかなり違ったメディアだと言えます。
ここからはそれぞれの良さと弱点を、もう少し具体的に見ていきます。
紙の本のメリット・デメリット
紙の本のメリット
1. 所有感と満足感がある
- 本棚に並んでいるだけでうれしい
- 読了した本が積み重なっていくと「自分の歴史」のように感じられる
- 表紙や装丁、紙の質感も含めて“作品”として楽しめる
2. 記憶に残りやすい感覚がある
- 「あの内容は本の前半の左ページの下の方に書いてあった」というように、
ページの位置や紙の厚みとセットで覚えていることが多い - ページをめくるリズムが心地よく、内容に集中しやすい人もいる
3. 目にやさしいと感じる人が多い
- バックライトがなく、紙の反射光で読むため、
長時間読んでも疲れにくいと感じる人がいる - スマホの通知に邪魔されない環境を作りやすい
4. 人に貸したり、譲ったりしやすい
- 読み終わった本を家族や友人に貸せる
- 古本屋やフリマアプリで手放して、
ちょっとしたお小遣いに変えられることもある
紙の本のデメリット
1. とにかく場所をとる
- 気づいたら部屋が本で埋まっている
- 引っ越しのときにダンボールが大量発生し、腰にくる
- 置き場所の問題で「買いたいけどガマン」ということも起こりやすい
2. 持ち運びが重い・かさばる
- 通勤カバンにハードカバーを2冊入れると、ずっしりとした重量感
- 旅行に何冊も持っていくのは現実的ではない
3. 調べ物・検索には向かないこともある
- 「あの用語どこに書いてあったっけ」と探すのが大変
- 索引があっても、頻繁な検索にはあまり向かない
4. 汚れ・劣化は避けられない
- 日焼けや紙の劣化、ページの折れなどが起こる
- コーヒーをこぼしたら、ほぼ一発アウト
電子書籍のメリット・デメリット
電子書籍のメリット
1. 何冊でも持ち歩ける
- スマホやタブレットひとつに、何百冊という本を入れて持ち運べる
- 通勤・出張・旅行との相性が抜群
- 「そのときの気分」に合わせて、いつでも別の本に切り替えられる
2. 検索・ハイライトがとても便利
- キーワード検索で、読みたい箇所に一瞬でジャンプできる
- 気になった部分にハイライトを入れ、後から一覧で見直せる
- 読書メモや引用がしやすく、勉強用途にも強い
3. すぐに買ってすぐに読める
- 「読みたい」と思った瞬間にダウンロードして読める
- 深夜でも、書店が近くになくても問題なし
- 思い立ったときの“勢い”を活かせる
4. セールや読み放題でコスパが良いことも多い
- 紙より安く販売されていることがある
- 定額の読み放題サービスで、気軽に試し読みができる
5. 物理的なスペースを取らない
- 本棚がパンパンにならない
- 片づけや引っ越しがとても楽になる
電子書籍のデメリット
1. 目の疲れ・集中のしづらさを感じる人もいる
- スマホだと通知が目に入り、集中が途切れやすい
- バックライトの光で、長時間読むと目がしんどく感じる人もいる
2. 所有感が薄い・「読んだ気」がしないことがある
- 本棚に並ばないので、読了の実感が弱いと感じる人がいる
- 「端末の中のデータ」という印象が強く、
“コレクションしている”感覚は紙よりも薄いかもしれない
3. つい“積読”が増えやすい
- ワンクリックでどんどん買える
- 読み放題サービスだと「とりあえずダウンロード」も増えやすい
- いつの間にか“未読本の山”が画面の中で膨れ上がる
4. サービスや端末に依存するリスク
- 買ったストアのサービスが終了したら、読めなくなる可能性もゼロではない
- 端末が壊れたときのバックアップ管理が必要
5. 紙ならではの体験がない
- 紙の匂い、ページをめくる音、本棚に並ぶ姿などの“フィジカルな喜び”は味わいづらい
紙の本が向いている人の特徴
ここまでを踏まえて、「こんな人は紙の本と相性が良さそう」というポイントをまとめます。
1. 読書そのものを“儀式”として楽しみたい人
- コーヒーをいれて、本を開いて、ゆっくりページをめくる時間が好き
- 本棚を眺めてニヤニヤするのが密かな楽しみ
2. 気に入った本は“手元に置いておきたい”タイプの人
- 大切な本は、装丁ごと愛でたい
- 人におすすめするときに「この本いいよ」と実物を手渡したい
3. スマホだとつい別のアプリを開いてしまう人
- 読書中に通知が気になって、SNSを見てしまいがち
- 物理的に端末から離れたほうが集中できる
4. 目の疲れや体調に不安がある人
- 画面を長時間見続けると疲れやすい
- 夜はあまり明るい画面を見たくない
5. 子どもとの読み聞かせを楽しみたい人
- ページを一緒にめくる体験を大事にしたい
- 絵本はやっぱり紙で、と感じる人は多い
電子書籍が向いている人の特徴
逆に「このタイプの人には電子がかなり合う」と思うポイントです。
1. 通勤・移動時間を有効に使いたい人
- 電車やバスで立ったまま読むことが多い
- カバンの重さをなるべく減らしたい
2. 実用書やビジネス書をよく読む人
- 調べ物や復習で、同じ本の中を何度も検索したい
- ハイライトやメモを活用して、後からまとめて見返したい
3. 片づけや物の管理をシンプルにしたい人
- 部屋をスッキリさせたい
- 引っ越しが多い、もしくはミニマルな暮らしを目指している
4. セールや読み放題を賢く使いたい人
- とりあえず試し読みして、自分に合う本だけ紙で買うという戦略もとりやすい
- 新しい分野の本を、気軽に試してみたい
5. 字の大きさや行間を自分好みに調整したい人
- 細かい文字が読みづらいときに、フォントサイズを自由に変えられる
- 端末によっては行間やフォントも変えられる
筆者の「紙と電子」使い分けルール
最後に、筆者なりの使い分け方を紹介します。あくまで一例ですが、参考としてどうぞ。
1. 「長く手元に置きたい本」は紙
- 心に残る小説
- 何度も読み返したいエッセイ
- 自分の価値観に影響を与えた本
こういった本は、紙で持っておくことが多いです。
本棚にあるだけで安心するような本たちは、できれば“モノ”としてそばに置いておきたいと感じます。
2. 「情報をとる本」「とりあえず読んでみたい本」は電子
- ビジネス書、実用書、専門書
- 試しに読んでみたい新ジャンルの本
- セールや読み放題で見つけた本
このあたりは電子で読むことが増えます。
検索・ハイライトが便利ですし、「合わなければ途中でやめる」ハードルも低いからです。
3. 外出・通勤・旅のお供はほぼ電子
- 移動中に読みたい本
- 旅先でその日の気分で読み分けたい本
カバンの中身を軽くしたいので、ほとんど電子にしています。
「今日は重たい本を持ってきてしまった」という後悔がなくなるのは大きなメリットです。
4. 夜、ゆっくり落ち着きたいときは紙
- 寝る前にスマホやタブレットの光を見たくない
- 頭を切り替えて、デジタルから離れたい
そんな日は、あえて紙の本を開きます。
ページをめくる音や、紙の感触があるだけで、不思議と気持ちも落ち着きやすくなります。
あなたはどっち派ですか
ここまで読んでいただいて、少しイメージが固まってきたでしょうか。
- あなたが「これは紙で読みたい」と感じるのはどんな本でしょうか。
- 逆に、「これは電子一択だな」と思うのはどんな場面でしょうか。
- もし今、紙か電子のどちらかで迷っている本があれば、この記事のどのポイントが決め手になりそうでしょうか。
よければ、コメント欄で
- 紙派か電子派か
- それぞれどんなふうに使い分けているか
を教えていただけるとうれしいです。
いろいろな読み方を知ることで、他の読者の方の参考にもなります。
まとめ:「どっちがいいか」よりも「どう組み合わせるか」
紙の本と電子書籍、どちらにもはっきりとしたメリットとデメリットがあります。
- 紙は「所有感」「儀式感」「安心感」が大きな魅力
- 電子は「軽さ」「検索性」「コスパ」「機動力」が強み
大事なのは、どちらか一方を選ぶことではなく
自分の生活や性格に合わせて、紙と電子をどう組み合わせるか
という視点だと思います。
- 誰かにおすすめしたい本・長く付き合いたい本は紙で
- 情報を取りにいく本・とりあえず試してみたい本は電子で
そんなふうにざっくりルールを決めておくと、迷いが減っていきます。
最後に一言だけ。
私は、紙の本棚も電子のライブラリも、どちらもその人の生き方がにじみ出る「プロフィール」だと感じています。
あなたの本棚や端末の中身が、少しずつ「自分らしい一冊」で満たされていきますように。
