お金の面から考える紙と電子、本当にお得なのはどっち
「紙の本と電子書籍、結局お金の面ではどっちが得なんだろう」
読書が好きになればなるほど、避けて通れないテーマです。
本は一冊一冊はそこまで高くなくても、気づいたらかなりの金額になっていたりします。
この記事では、できるだけリアルなお財布目線で
- 紙の本のコスパ
- 電子書籍のコスパ
- 紙の「売れる」「貸せる」という強み
- スペースや家賃という見えないコスト
- 読書スタイル別のおすすめ組み合わせ
を整理していきます。
最後に、
あなたにとっての「お得」とは、金額だけなのか、それとも別の何かも含めるのか
というポイントにも触れていきます。
1. 紙の本のコスパを分解してみる
まずは紙の本から見ていきます。
紙の本といっても、実は購入ルートによってコスパはかなり変わります。
新刊で買う場合
- 書店やネットストアで定価購入
- 最新の話題作や、今すぐ読みたい本が手に入りやすい
- 応援したい著者の本を買うときは、定価の新刊購入が一番の支援にもなる
新刊はどうしても一冊あたりの単価は高くなりがちです。
その代わり、発売されたばかりの本をいち早く読めるという価値があります。
中古・古本屋・ブックオフ的な買い方
- 数年前の本なら、定価の半額以下で手に入ることも多い
- 思わぬ掘り出し物に出会える楽しさがある
- 巻数の多いシリーズをそろえるときは、古本屋がかなり強い
ただし、
- いつでも欲しい本があるとは限らない
- 状態が選べない場合もある
というデメリットもあります。
メルカリなどのフリマアプリ
最近は、メルカリなどのフリマアプリで本を売り買いする人も増えています。
- 読み終わった本を売ることで、実質的な負担額を下げられる
- 人気作や状態の良い本は、意外と良い値段で売れることもある
例えば、定価1,500円の本を読んで、その後700円で売れたとしたら、
実質の負担は800円という考え方もできます。
もちろん、
- 出品の手間
- 梱包や発送の手間
- 売れ残るリスク
といった「時間コスト」もあるので、ここをどう評価するかがポイントです。
図書館をうまく使えれば、コスパは最強クラス
忘れてはいけないのが、図書館です。
- 無料で読める
- 新刊も予約すれば読めることが多い
- 保管場所を気にしなくてよい
「お金だけ」で見れば、図書館は圧倒的にコスパが良い選択肢です。
その代わり、
- 人気作は予約待ちになる
- 期限までに読み切る必要がある
- 書き込みやマーカーは基本的にできない
などの制約があります。
2. 電子書籍のコスパを分解してみる
次に、電子書籍側を見ていきます。
通常価格は「紙と同程度」か「少し安い」ことが多い
電子書籍は、通常価格では紙の本と同じくらいか、少しだけ安い設定になっていることが多いです。
- 新刊でも、紙よりほんの少し安く買える場合がある
- 文庫や新書は、紙とほぼ同じ価格帯が多い印象
一冊あたりの金額だけ見ると、「すごく安い」とまではいかないかもしれません。
セール・クーポン・ポイント還元の威力
電子書籍ストアの大きな魅力は、ここからです。
- 定期的なセールで、半額やそれ以上の値引きになることがある
- 初回登録特典のクーポンで、かなり安くまとめ買いできる
- ポイント還元を組み合わせると、実質的な負担額がさらに下がる
セールをうまく使える人にとっては、「紙で定価購入するより半分以下」で本を集めることも十分あり得ます。
ただし、セールに釣られて
- 読みきれない量を買ってしまい、積読を増やす
- 安いからといって、そこまで読みたくない本まで買ってしまう
という落とし穴もあります。
読み放題サービスのコスパ
Kindle Unlimited のような読み放題サービスも、電子ならではの仕組みです。
- 月額料金で、対象作品が読み放題
- 雑誌や実用書、趣味系の本を広く浅く試すのに向いている
- 新しいジャンルを試し読みするにはとても便利
一方で、
- あまり読まない月は、割高感がある
- 読みたい本がすべて対象になっているとは限らない
- 「読み放題の範囲で選んでしまい、本当に読みたい本からズレていく」こともある
読み放題は、使い方しだいで「神コスパ」にも「無駄な固定費」にもなります。
どれくらい読むか、どんな本を読むかが重要なポイントです。
3. 「売れる」「貸せる」紙の本の強み
お金の話をするうえで外せないのが、紙の本の
「売れる」「貸せる」
という特徴です。
「売れる」は実質コストを下げてくれる
紙の本は、読み終わったあとに
- 古本屋に売る
- フリマアプリで売る
といった形で、お金に変えやすいという強みがあります。
実際に数字を出さなくても、
- ベストセラーや話題作は、一定の値段で手放しやすい
- 状態をきれいに保っておけば、その分高く売れる
という感覚を持っている方は多いはずです。
「買う」と「売る」をセットで考えると、紙の本のコスパはそこまで悪くない、というケースもあります。
「貸せる」は金額以上の価値がある
紙の本は、人に貸しやすいというメリットもあります。
- 家族や友人に「この本良かったよ」と手渡しできる
- 職場の本棚に置いて、みんなで回し読みできる
貸すことによって、自分の周りの人と話題を共有できるのは、金額に換算しづらい価値です。
電子書籍にも、家族と共有できる仕組みがあるサービスはありますが、
- アカウントを共有する必要がある
- デバイスや設定によっては扱いづらい
などの制約があり、紙ほど気軽ではありません。
4. 「かさばらない」は家賃コスト的にどうか
お金の話をするときに、つい忘れがちなのが
「スペースのコスト」
です。
本棚のスペースは、家賃の一部
例えば、ワンルームの部屋に大きな本棚を三つ置いているとします。
そのスペースがなければ、もっとコンパクトな部屋で済んだかもしれません。
もちろん、家賃を本棚だけのせいにすることはできませんが、
- 本が増える
- 置き場所に困る
- 結果として、広い部屋に引っ越す
という流れになれば、その差額はある意味「本のための家賃」とも言えます。
電子書籍は「家賃を圧迫しない」
電子書籍の強みはここにあります。
- 何百冊増えても、部屋のスペースは変わらない
- 引っ越しのときも、段ボールの数が増えない
本以外にも荷物が多い人や、頻繁に引っ越しをする人にとっては、
これはかなり大きなコストカットポイントです。
紙の本を持つこと自体は素晴らしいことですが、
- どこまでを「家賃を払ってでも置いておきたい本」とするか
を考えておくと、後々の負担が変わってきます。
5. 読書スタイル別 おすすめの組み合わせ
最後に、読書スタイルごとに「紙と電子のおすすめ組み合わせ」をざっくり整理します。
1. とにかくたくさん読みたい人
- 電子書籍のセールや読み放題サービスを活用
- 気に入った一部の本だけ紙で買い直す
コスパ重視で量を読みたいタイプには、電子中心のスタイルが向いています。
2. お気に入りを何度も読み返す人
- 本当に好きな本、人生の一冊は紙で
- 情報収集用や「とりあえず読む本」は電子で
「所有したい本」と「読めればいい本」を分けることで、無駄な出費を抑えつつ満足度を上げられます。
3. 勉強・資格試験がメインの人
- メインテキストや問題集は紙
- 関連書や専門書は電子で試し読み → 良ければ紙で購入
紙と電子のいいとこ取りがしやすいパターンです。
紙の書き込みと、電子の検索性を両方活かせます。
4. とにかく節約したい人
- 図書館をフル活用
- 古本屋とフリマアプリでの売り買い
- 電子書籍はセール時にだけ購入
「読み放題サービスは、本当に使い倒せると思えるタイミングだけ契約する」
というスタイルにすると、固定費を抑えやすくなります。
5. ミニマリスト寄りの人、モノを増やしたくない人
- 電子書籍を基本にする
- 紙は「どうしても手元に置きたい一軍本だけ」にしぼる
本棚一本に入る量だけと決めるなど、ルールを決めておくと、お金もスペースも守りやすくなります。
6. あなたにとって「お得」とは何か
ここまで、おもに「金額」と「スペース」の面から紙と電子を見てきました。
ただ、本当に考えたいのは
「お得」とは何を指すのか
という部分かもしれません。
- 一冊あたりの金額が安いこと
- 売ったときに戻ってくるお金が多いこと
- 家賃やスペースの負担が少ないこと
- 読みたいときにすぐ読めること
- 読んだ本が、自分の人生にとって良い影響をもたらしてくれること
どれを重視するかは、人によって違います。
あなたにとっては、
- 紙で本棚を眺める喜びそのものが「お金に代えがたい価値」かもしれませんし
- 電子で安くたくさん読むことが「最高のコスパ」と感じられるかもしれません
どのような考え方があなたには合っているでしょうか。いろいろ試しながら考えていきましょう。
